2006年5月14日
NPO法人 エガリテ大手前
育児意識調査
1. 本調査について
1) 調査目的: 「出産育児世代女性」と「孫育て支援世代男性」(子の出産育児を想定できる世代)の育児意識を調べることで、女性の子育てと男性の孫育て支援の意識の実態、格差、それに伴うニーズを分析したもの。
2) 調査対象: 出産育児世代女性(20−40代)と孫育て支援世代男性(40代超)
3) 調査方法: アンケート調査
4) 抽出方法: 当会員による無作為抽出
5) 実施地域: 首都圏
6) 実施時期: 2006年3月15日〜5月14日
7) 回答者数: 349名(女性134名 男性215名)
20代(うち会社員)
30代
40代
50代
60代超
無答
女性
65名(50名)
36名
20名
13名
男性
73名
98名
44名
4名
2. 定義
1)「出産育児世代女性」: 20-40代の女性で未既婚を問わない。
2)「孫育て支援世代男性」: 40代以上で、自らの子世代の出産育児を想定できる男性。
3. 調査結果
1) 女性(出産世代)の育児意識
@ 就労について: (注:この報告書で言う「就労」とは、家庭外での賃労働を意味している)
a) 結婚後就労
| 20代(うち会社員) | 30代 | 40代 | 全体 | ||||||
| する | 92%(90%) | 97% | 89% | 92% |
|||||
| しない | 8%(10%) | 3% | 11% | 8% |
| 20代(うち会社員) | 30代 | 40代 | 全体 | ||||||
| する | 72%(65%) | 80% | 89% | 77% |
|||||
| しない | 28%(35%) | 20% | 11% | 23% |
| 20代(うち会社員) | 30代 | 40代 | 全体 | ||||||
| する | 75%(83%) | 75% | 50% | 75% |
|||||
| しない | 25%(17%) | 25% | 50% | 25% |
20代(うち会社員)
30代
40代
全体
する
80%(82%)
72%
79%
76%
しない
20%(18%)
28%
21%
24%
・ 結婚後就労の希望は、年代を問わず、90%前後と高い。
・ 出産後就労の希望は77%であるが、20代会社員の35%が希望しないと答えている。
・ 20代会社員の82%が育児休業を取れると答えながら(世代間で最高)、出産後就労希望が65%にとどまっている。
・ 支援があれば就労継続を希望する人数を合算すると、以下の通り、全世代で90%前後が希望となり、結婚後就労の希望率にほぼ一致する。
・ 女性の出産後就労には「育児支援」が重要な要素と言えるだろう。
| 20代(うち会社員) | 30代 | 40代 | 全体 |
|||
| 希望する(支援あれば希望を含む) | 91%(93%) | 89% | 95% | 91% |
||
| 希望しない | 9%(7%) | 11% | 5% | 9% |
a) 求めるか?
| 20代(うち会社員) | 30代 | 40代 | 全体 | |
| はい | 84%(88%) | 71% | 80% | 78% |
| いいえ | 16%(12%) | 29% | 20% | 22% |
| 歓迎 | 条件付歓迎 | 希望しない |
||||
| 80% | 9% | 11% |
c) 求めるもの
| 家事 | 知恵 | 教育 | その他 | |||
| 67% | 19% | 12% | 3% |
d) 親の孫育て参加についての心配点
甘やかし
健康体力
育児方法
親子の関係
距離
38%
34%
12%
11%
5%
e) 父親向け孫育て研修について
必要
不要
その他
82%
12%
6%
f) まとめ
・ 親の孫育て参加については、年代を問わず、80%前後の女性が望んでいる。
・ 父親の孫育て参加も80%(条件付を含めると89%) が希望している。
・ 孫育て参加上の懸念点は、育児知識・技能(甘やかしや育児方法)が50%を占める。
・ 父親の孫育て研修は82%が必要としている。67%が家事を求めていることからも、育児家事の知識・技能を前提に、父親の育児支援を求めていると言えるだろう。
2) 男性(孫育児分担世代)の育児意識
@ わが子の育児に関与したか?
| 40代 | 50代 | 60代 | 全体 | |||
| 関与した | 73% | 67% | 50% | 65% | ||
| しなかった | 27% | 33% | 50% | 35% |
| 実質的関与 | 補助的関与 | 限定的関与 |
|||
| 28% | 30% | 42% |
・ これでも、女性の実感とは格差があるように思われる。
A 一般的な家事はできるか?
40代
50代
60代
全体
はい
86%
70%
50%
73%
いいえ
14%
30%
50%
27%
・ 60代以上の「できる」の比率は50%に下がるが、これでも、女性の見方とに格差があるように思われる。
B 孫について
a) 孫は欲しいか?
40代
50代
60代
全体
欲しい
93%
95%
93%
94%
欲しくない
7%
5%
7%
6%
b) 孫育てに参加したいか?
| 40代 | 50代 | 60代 | 全体 | |||
| したい | 42% | 58% | 82% | 58% |
||
| したくない | 58% | 42% | 18% | 42% |
| 定年後計画(50代以上) | 子育て関与 | 家事できる? | ||||||
| ある | ない | した | しない | はい | いいえ | |||
| 孫育て参加興味 | あり | 58% | 71% | 59% | 54% | 53% | 68% | |
| なし | 42% | 29% | 41% | 46% | 47% | 32% |
・
94%が孫を欲しいとしており、年代に差はない。・ 孫育てに参加したいと答えたのは58%に過ぎない。しかし、年代格差が大きく、60代以上の希望は82%と孫が欲しい比率に迫る。
・ 孫育て参加と「子育て関与」に相関は見られないが、「定年後計画なし」(50代以上)「家事できない」層の参加意欲は高い。
・ 孫育て参加を、引退後生活の一部として認識できるかも知れない。
C 孫育て研修について
| 40代 | 50代 | 60代 | 全体 | |
| 参加したい | 21% | 27% | 53% | 31% |
| 参加しない | 79% | 73% | 47% | 69% |
| 研修参加 | |||
| 興味あり | 興味なし | ||
| 子育て関与 | した | 30% | 70% |
| しなかった | 29% | 71% | |
| 家事 | できる | 30% | 70% |
| できない | 32% | 68% |
・ 男性の31%しか研修を必要としていないが、1)Ae)で女性の 82%が必要と答えていることとの格差は大きい。
・ 60代以上の53%が参加したいとしていることは、この世代の50%が、子育てに関与せず(2)@)、一般家事ができないこと(2)A)との関連が想像される。
3) まとめ
@ 女性の出産後就労を高める鍵は「育児支援」であろう。
A 男性の孫育て支援を引退後生活の一部に組み込める可能性が予想される。
・ 60代以上の男性に関心が認められる。
・ 女性も父親の孫育て支援に期待している。
B 男性自身が考えているほど、育児家事の処理能力は高くなく、安心して育児を任せられるレベルではなかろう。
C 60代以上の男性には研修ニーズが認められる。
D 女性も父親の育児スキル研修を望んでいる。
4. アンケート単純集計データ
1) 女性に対する質問
@ 年代
20代 30代 40代 無答 合計
65人 36人 20人 13人 134人
54% 30% 17%
A お仕事について教えてください。
学生 会社員 主婦(パート) 無答 合計
13人 109人 8人 4人 134人
10% 84% 6%
B 結婚しても仕事を続けたいと思いますか?
はい いいえ 無答 合計
120人 10人 4人 134人
92% 8%
C 出産しても仕事を続けたいと思いますか?
はい いいえ 無答 合計
100人 30人 4人 134人
77% 23%
(いいえの人に)何故ですか?よろしければ教えてください。
母として育てたい 7人 41%
両立できそうもない 7人 41%
子供のため 2人 12%
環境未整備 1人 6%
合計 17人 100%
D 保育や子育てを手伝ってくれる、信頼できる人が身近にいれば、仕事を続けたいと思いますか?
はい いいえ 無答 合計
57人 11人 66人 134人
84% 16%
E 育児休暇を取れる環境ですか?
はい いいえ 無答 合計
87人 27人 20人 134人
76% 24%
F 出来る事なら、自分の親に保育、子育てに関わってもらいたいですか?
はい いいえ 無答 合計
102人 29人 3人 134人
78% 22%
(はいの人に)どういうことを期待しますか?
知恵 15人 19% 年長者の知恵 13人 17%
夫婦の意見対立仲裁 2人 3%
教育 9人 12% 子供のしつけ 3人 4%
子供への教育 2人 3%
人間として大切なことを教えて 2人 3%
叱って欲しい 1人 1%
親としての愛情 1人 1%
家事 51人 67% 子供の病気時 13人 17%
外出・不在時 13人 17%
繁忙時の援助 11人 14%
送迎 4人 5%
自分が病気の時 3人 4%
いるだけで安心 3人 4%
仕事中 2人 3%
食事の準備 1人 1%
世話全般 1人 1%
遊び相手 1人 1%
親のため 2人 3% 親の生きがい 1人 1%
思い出つくり 1人 1%
合計 78人
G 親に子供の面倒をみてもらう時に何か心配することはありますか?
健康体力 26人 34% 健康体力 22人 29%
精神的負担 3人 4%
子から感染症の伝染 1人 1%
甘やかし 29人 38% 甘やかし。過保護 27人 36%
無責任 1人 1%
他人の子と比べる 1人 1%
距離 4人 5% 距離 4人 5%
育児方法 9人 12% 育児方針 3人 4%
怪我・異変への対応 3人 4%
育児方法 2人 3%
食事 1人 1%
親や子などとの関係 8人 11% 子供と自分の関係希薄化 2人 3%
親との軋轢 2人 3%
干渉して欲しくない 1人 1%
親に頼り過ぎないか 1人 1%
子供が親に迷惑を 1人 1%
子供の精神的負担 1人 1%
合計 76人
H あなたのお父さんがあなたの子供(孫)の子育てに参画したいと言ったらどう思いますか?
歓迎 74人 80% 良いこと 36人 39%
有難い 18人 20%
お願いしたい 6人 7%
素晴らしい 4人 4%
当然あるべき 2人 2%
受け入れたい 2人 2%
助かる 2人 2%
色んなことを教えて 1人 1%
共通の話題が持てる 1人 1%
母より感情的にならぬ 1人 1%
多世代教育に意義 1人 1%
条件付 8人 9% 遊び相手程度 3人 3%
方針が同じなら 3人 3%
一人では無理か 1人 1%
条件整えば 1人 1%
難しい 10人 11% 不可能 3人 3%
過度の干渉が心配 3人 3%
想像できない 2人 2%
母なら良い 2人 2%
合計 92人
上記のため、お父さんが保育や子育ての研修を受けたとしたら、如何でしょう?
必要 54人 82% 良いこと 24人 36%
ぜひ 6人 9%
効果的 5人 8%
安心する 5人 8%
ベター 5人 8%
素晴らしい 2人 3%
スキル必要 2人 3%
実地経験必要 2人 3%
子供のため、父のため 1人 2%
子育ての考え方変わる 1人 2%
新鮮 1人 2%
不要 8人 12% そこまで不要 3人 5%
親が嫌がる 3人 5%
過干渉 2人 3%
その他 4人 6% 親に最終判断権を 2人 3%
内容費用による 1人 2%
父の前に夫に 1人 2%
合計 66人
2) 男性に対する質問
@ 定年後の何か具体的なプランはありますか?
はい いいえ 無答 合計
79人 134人 2人 215人
37% 63%
A 一般的な家事はできますか?
はい いいえ 無答 合計
156人 59人 0人 215人
73% 27%
B 孫は欲しいですか?
はい いいえ 無答 合計
201人 13人 1人 215人
94% 6%
C 自分の子供の子育てにある程度関わりましたか?
はい いいえ 無答 合計
138人 73人 4人 215人
65% 35%
(はいの人に)どの程度だと思いますか?
実質的 19人 28% 40%以上 10人 15%
かなり 4人 6%
一般以上 2人 3%
父としてフル 2人 3%
可能な限り 1人 1%
補助的 20人 30% 30-40% 13人 19%
一般的 6人 9%
補助的 1人 1%
限定的 28人 42% 30%未満 11人 16%
少々 8人 12%
遊ぶ程度 3人 4%
限定的 3人 4%
わずか 3人 4%
合計 67人
D 孫と過ごす時間は楽しいと思いますか?
はい いいえ 無答 合計
191人 13人 11 215人
94% 6%
E 出来れば、ご自分の孫の保育・子育てに関わりたいと思いますか?
はい いいえ 無答 合計
121人 88人 6人 215人
58% 42%
F 上記Eを目的とした、中・高年の男性対象の保育・子育てのための研修、教室(ソフリエ教室)があれば行きたいと思いますか?
はい いいえ 無答 合計
63人 142人 10人 215人
31% 69%
G あなたの年代は?
40代 50代 60代 無答 合計
73人 98人 40人 4人 215人
35% 46% 19%
5. 当法人について
1) 名称: 特定非営利活動法人(NPO)エガリテ大手前
2) 設立: 2004年4月(NPO認証:2005年10月)
3) 趣旨: 少子高齢化が急速に進む中で、男女共同参画社会の形成は、我が国の今後の発展のための最重要課題である。しかしながら、各種の法規制や制度導入は進められているものの、女性を取り巻く環境は十分なものとはいえず、いまだに男女格差・差別や前近代的な出産・育児・就労が続いているのが実態である。また、育児休暇や介護休暇の取得率、保育所の待機児数、子育てセンターの利用率などを見ても、制度やシステムの改善に加えて、その普及定着化と、女性を取り巻く社会の意識変化が求められていると言えるだろう。ところが、我が国の官庁や企業での不祥事の内部告発が後を絶たないことを見ても、組織による自浄・改善努力だけに期待することは難しく、社会の適正な監視や牽制が求められると言えるだろう。この法人では、次世代育成支援対策推進法により自治体や企業などが作成する「行動指針」「行動計画」の評価などの調査・研究を行ない、公表並びに、広報・出版、講演を行うとともに、あわせて行政や企業などへの提言を行うことで、男女共同参画社会の形成促進に寄与することを目的としている。
4) 経緯: この法人は大阪府立大手前高等学校の卒業生有志が中心となって設立された。この学校の前身は女学校であり、1905(明治38)年に卒業生有志が私設女学校を無償で始めたという歴史を持っている。そのような伝統もあり、学生や卒業生には、早い時代から男女共同参画への意識が芽生えていたように思われる。上記の女学校設立の頃から百年を経て、我が国の女子教育は大きく進展した。それに次ぐものとして、男女共同参画社会の創出の一助としての活動を始めたものである。
5) メンバー: 会社員や主婦を中心に、医師、薬剤師、産褥ヘルパー、消費生活アドバイザー、研究所調査員、社会福祉士、介護福祉士、統計専門家、アナリストなど幅広い層からの参加を得ている。
6) ホームページ: index.html
7) 主な活動場所: 千代田区男女共同参画センター http://www.city.chiyoda.tokyo.jp/miw/
8) 問合せ先: furukubo1978@mercury.ne.jp
以 上
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